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徳島県海陽町を元気にする「海陽町元気農業研究会 元気隊」
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農家さんについて
戦時中から書き連ねた論文を活かし、
死ぬまで作物を作り続ける
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論文『土に生きる』で考えた、百姓として生きるということ
—川西地区ではどんな作物が穫れるのですか?
加藤:ここは平野部やから、だいたい野菜やね。春はタケノコやフキなどの山菜。夏はトマトやキュウリ。秋はクリ。冬はニンジンやブロッコリーが穫れる。ここの人らは、基本的に自分が食べるために野菜を作っているので、無農薬のものがほとんどよ。そして、その一部を元気隊に出荷している。
―加藤さんはいつから農業を始めたのですか?
加藤:私が農業の勉強を始めたのは戦時中。女学校で農業を勉強して、その頃から農業に関する論文を書いていたんかな。例えば作物を育てる堆肥について研究した時は、その成果を東京農業大学で発表した。農大以外にも、広島の方へまでなんべんも足を運んだなあ。
―昔から研究熱心だったのですね。
加藤:ほやからな、そうやって昔から研究した肥料で、今も作物を作り続けているんよ。他の畑とは堆肥が違うけん、皆が「おいしいおいしい」と言って買いに来てくれる。
―他にも農業をしながら様々な論文も書かれていたということですが、その中でもご自身に影響を与えたものは何ですか?
加藤:一番は『土に生きる』という論文やろうな。百姓に生まれて、百姓として生ていく、その信念を書いたもの。
―「百姓として生ていく(土に生きる)信念」とはどのようなものですか?
加藤:百姓の信念とはな、一言でいえば石の下株まで作っていく、ということよ。「石の下株まで」というのは、最後まで作り続けるということ。死ぬまでまじめにつくる。時には失敗することもあるけんど、それは勉強として我慢し、辛抱強くやるということよ。
―これからはどのように生きていきたいですか?
加藤:とにかく信念をもって作物を作り続ける。それだけよ。今の時代はな、農業をやっても決して儲からない。けれど、作物を作り続ければ喰いっぱぐれることはないんよ。時代は変わっても、これは変わらない。
ほやから私は、ともかく信念をもって、死ぬまで農業を続けていく。そういう信念をもたなんだら、農業というものは続かないんよ。